火桶(ひおけ)・箱火鉢(はこひばち)・長火鉢(ながひばち)
かって家庭の必需品だった火鉢は、湯を沸かしたり、餅を焼いたり、酒の燗を付けたりと、至極便利でした。
濡れた小物を干したり、時には股火鉢なる行儀の悪い使い方もしました。
平安時代の寝殿造りの家屋は、煙と煤を嫌って囲炉裏のような火を焚けませんでしたので、檜や杉の曲物に土製の容器を入れ火桶としました。
それが普及し次第に派手な物が生まれました。
付属品は、五徳に銅壺、火箸、それに灰均しの四点です。
背のひょろ長い人の形容を「鍛冶屋の歳暮」と言いますが、昔の鍛冶屋が歳暮に火箸を配ったことに由来します。