室の花(むろのはな)・室の梅(むろのうめ)
梅や椿などは、冬の間に蕾(つぼみ)を付けますが、その枝を切って室に入れ、「一夜之をむ、則其火気に感じて忽(たちま)ち花を発(ひら)く」と、「滑稽雑談(こっけいぞうだん)」にはあります。
その時節も同書には、「小春以来一陽来復(いちようらいふく)も比(ころ)」とありますから、冬至の頃までが適期だったようです。
しかし現在では、冬に限らず、季節に先がけて花を咲かせる技術が進んでいますから、一年中いろんな花が見られます。
三月三日の節句に出回る桃の花も、一ヶ月早く咲かせた花です。