散る柳(ちるやなぎ)・柳黄ばむ(やなぎきばむ)
柳の葉が散り始めて、しみじみと秋を感じるというのが、この季語の働きです。
その点では「一葉落ちて天下の秋を知る」桐と同じことですが、古木は桐も柳も、散ることが秋を知らせる現象でした。
宗祇の『連歌心附之事』でも、一葉散るが桐と柳に限定されていましたが、後に桐だけに使われるようになります。
柳、それも春の柳は、梅や桜と並んでもてはやされ、柳腰、柳眉のように美人の形容にも使われたくらいです。
だとすれば、柳散るとは、柳への名残とも取れます。