季語について


十一月の季語

秋寂ぶ
(あきさぶ)
秋の霜
(あきのしも)
釣瓶落し
(つるべおとし)
冷まじ
(すさまじ)
枯草の露
(かれくさのつゆ)
柳散る
(やなぎちる)
熊の架
(くまのたな)
蛙穴に入る
(かわずあなにいる)
立冬
(りっとう)
小春
(こはる)
冬めく
(ふゆめく)
冬日和
(ふゆびより)
小雪
(しょうせつ)
冬旱
(ふゆひでり)

(こがらし)
名の木枯る
(なのきかる)
霜枯
(しもがれ)
枯葉
(かれは)
朽葉
(くちば)
木の葉髪
(このはがみ)
冬紅葉
(ふゆもみじ)
帰り花
(かえりばな)
室咲
(むろざき)
茶の花
(ちゃのはな)
冬の鳥
(ふゆのとり)
七五三
(しちごさん)
酉の市
(とりのいち)
冬構
(ふゆがまえ)
敷松葉
(しきまつば)
冬耕
(とうこう)
麦蒔
(むぎまき)
葛湯
(くずゆ)
生姜湯
(しょうがゆ)
大根
(だいこん)
冬菜
(ふゆな)

■柳散る(やなぎちる)

散る柳(ちるやなぎ)・柳黄ばむ(やなぎきばむ)

柳の葉が散り始めて、しみじみと秋を感じるというのが、この季語の働きです。
その点では「一葉落ちて天下の秋を知る」桐と同じことですが、古木は桐も柳も、散ることが秋を知らせる現象でした。
宗祇の『連歌心附之事』でも、一葉散るが桐と柳に限定されていましたが、後に桐だけに使われるようになります。
柳、それも春の柳は、梅や桜と並んでもてはやされ、柳腰、柳眉のように美人の形容にも使われたくらいです。
だとすれば、柳散るとは、柳への名残とも取れます。


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