鳴く虫(なくむし)・虫鳴く(むしなく)・すだく
『万葉集』では、秋に鳴く虫を蟋蟀(こおろぎ)と総称していますが、布売る区から蝉や蜩(ひぐらし)までも虫として取り入れ、姿より声に、日本人は美を感じてきました。 物合せの一つとして虫合せをし、和歌を添えたり、鈴虫の宴、松虫の宴を張ったり、秋の夕べには虫聞き、虫狩り、虫選びに郊外に足を運んだりもしました。 その虫の美声も欧米人には雑音に聞こえると言いますから、虫の秋になると、「よくぞ日本に生まれけり」の思いもします。
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