雨の盆(あめのぼん)・おわら祭(おわらまつり)・八尾の廻り盆(やおのまわりぼん)
風の盆とは、二百十日が無事であることを祈る日ですが、養蚕と和紙で栄えた富山県婦負(ねい)郡八尾(やつお)町では、毎年、九月一日から三日まで風の盆を行い、終夜「越中おわら」の町流しをします。
「おわら」はもともと糸繰り唄で、「来たる春風、氷が解ける(キタサノサー、ドッコイサノサー)、嬉しや気ままに、オワラ、開く梅」が代表的歌詞です。
この文言と、三味線と太鼓、笛、それに胡弓(こきゅう)の哀調ある伴奏による町流しには、どこかの黄泉の世界に引き込まれる錯覚さえ覚えます。