夕闇(ゆうやみ)
陰暦の八月十五日の名月は、太陽が沈むと間もなく昇りますが、十六夜(いざよい)、立待月(たちまちづき)、居待月(いまちづき)・・・・・・と、日を追って遅くなり、二十日の月の更待月(ふけまちづき)の頃になると、名月より約3時間も遅れて月は昇ります。
これらのつきの出までの闇を宵闇と言います。
「宵」とは、現代では夕方と解されていますが、本来は、夜を宵、夜中、明時(あかどき)の三つにわけて、宵は日暮れから夜中までの時間帯を指す言葉でした。
「宵越しの銭は持たぬ」の江戸っ子の気風も、この宵の時間帯で理解いただけるはずです。