雨名月(あめめいげつ)・雨夜の月(あまよのつき)・雨の月(あめのつき)・月の雨(つきのあめ)
折角の陰暦八月十五日の名月が、雨にたたられることを雨月と呼びますが、拾い意味では無月(むげつ)です。
雲の切れ間が明るんだり、雨の合間にほの明るくなることもありますが、概して雨月にも古人は情趣を感じていたようです。
謡曲の『雨月(うげつ)』は、西行が住吉明神に参詣の途次、宿を求めた主の老夫婦から示された「賤(しず)が軒端をふきぞわづらふ」下の句に、西行が「つきはもれ雨はたまれととにかくに」の上の句を付けた下りがメインになっています。