春きざす(はるきざす)・春動く(はるうごく)
春の到来を真っ先に感じるのは光です。
障子に差す朝日に、枯れた欅の網目のような枝々に、海や川の波に差す光に、私たちはいち早く春を感じます。
肌に刺す風はまだ冷たくとも、春の胎動を覚えます。
何も詩人や俳人でなくとも、人間には季感を予知、予感する機能を備えています。
「春浅し」の季語は立春の日からまだ日の浅いところでの感じ方で、どちらかというと思いの方が先行していますが、「春めく」には、もう少し春の進んだころの、光や風などを通じた春の予感が見えます。