冱返る(いてかえる)・しみ返る(しみかえる)・寒返る(かんかえる)・寒の戻り (かんのもどり)
寒さの再来ですから「余寒」と同義語ですが、冴返るが余寒と違うのは、いったん暖かさを経験したあとの寒さですので、一層強く感じられます。
「冴ゆ」という言葉は、しみるように冷えるの意から、澄む、鋭い、怜悧の意にまでわたるので、鋭角的な、刺すような寒さという語感になります。
その意味で、冬の季語「三寒四温」とはまた少し違います。
「三寒四温」は中国の北部や朝鮮の季感を持ち込んだものですが、こちらには、その繰り返しで春になるという期待感もあります。
その点「冴返る」には肉感的な季感を感じます。