好文木(こうぶんぼく)・花の兄(はなのあに)・春告草(はるつげぐさ)・香散見草(かざみぐさ)・匂草(においぐさ)・風待草(かぜまちぐさ)・香栄草(かばえぐさ)・初名草(はつなぐさ)・野梅(やばい)・白梅(はくばい)・臥竜梅(がりょうばい)・青竜梅(せいりゅうばい)・枝垂梅(しだれうめ)・飛梅(とびうめ)・鶯宿梅(おうしゅくばい)・老梅(ろうばい)・梅が香(うめがか)・梅園(うめぞの)・梅林(ばいりん)・闇の梅(やみのうめ)
梅が中国から渡来したのが起源七百年ごろといいますから、日本人と梅の関係は既に1300年の歴史を持ちます。
百花に先がけて咲く花ですから花の兄、春告草と呼ばれ、並みはずれた香りゆえ、香散草見草、匂草、香栄草などの名も与えられました。
加えて気品を備えているところが、日本人の好みにかなっていたのでしょう。
兼好法師などは、「梅は白き、薄紅梅。一重なるが疾く咲きたるも、重なりたる紅梅の匂ひめでたきも、皆をかし」(『徒然草』)と絶賛します。
詩歌にも梅の題は多く、『万葉集』だけでも190首が入集しています。
和歌に詠まれるのは白梅で、雪や鶯と取り合わせて作られていました。