黄鳥(こうちょう)・匂鳥(においどり)・歌詠鳥(うたよみどり)・経読鳥(きょうよみどり)・花見鳥(はなみどり)・報春鳥(はるつげどり)・春告鳥(はるつげどり)・黄粉鳥(きなこどり)・留鳥(りゅうちょう)・人来鳥(ひとくどり)・初音(はつね)・藪鶯(やぶうぐいす)・鶯の谷渡り(うぐいすのたにわたり)
一口に「梅に鶯」といいますが、それほどどちらも日本人にはなじみが深く、詩歌にもよく詠まれてきました。
それだけに立派な名辞をたくさんもらいました。
「春告鳥」は「春告魚」の名の付いた鰊と春の双璧です。
「匂鳥」も「歌詠鳥」も声や姿から当然過ぎる美辞といえます。
しかし「経読鳥」は鶯の鳴き声のホーホケキョーを法華経にひっかけた駄洒落ですから、名辞のニュアンスも少し違います。
また「ホーホケキョー」の後に語尾をのばして「ケキョ、ケキョ、ケキョ」と鳴くのを「鶯の谷渡り」といいますが、どこか時鳥の鳴き声と似ています。
時鳥は、産んだ卵を鶯の巣に託す習性があるので、模倣性の強い鶯が近くにいる時鳥の声を真似るのだともいいます。