そうとめ・五月女(さつきめ)・五月乙女(さつきおとめ)・早女房(さにょうぼう)・植女(うえめ)・早乙女宿(さおとめやど)
かつては、単衣(ひとえ)の紺絣(こんがすり)に手甲(てっこう)、脚絆(きゃはん)、赤い帯に、これまた赤の襷(たすき)、頭には菅笠(すげがさ)が、早乙女の定番でした。
農家の互助組織「結い」の手間で間に合わない場合は、出稼ぎの早乙女を使い、その人たちの泊る早乙女宿もあったくらいです。
早乙女の「さ」は田にかかわる言葉で、五月(さつき)や早苗(さなえ)、田植を終えた後の宴、早苗饗(さなぶり)の「さ」と同じ意味を持ちます。
ですから早乙女は、田の神に奉仕する神聖な少女の意味でしたが、50、60の女性でも、この日ばかりは早乙女と呼ばれています。