八十八夜の別れ霜(じも)は言い古された諺ですが、立春の日から数えて八十八日目にあたるこのころから霜の心配がなくなるので、農家では種蒔きの目安としてい節目です。
陽暦の五月初旬ですが、天候の荒れる時節ですから農家に限らず、海事に携わる人たちも航海の注意は怠らなかったようです。
同じ頃にあたりますが、地方によっては、大寒から105日目「百五の霜」と呼び、やはり農事の節目としています。
八十八夜はまた一番茶を摘む時季ですがs、この日摘んだお茶にこだわるのは、この日に摘んだお茶を飲むと中風にならないとするふるい言い伝えもあるからです。
米の地は八十八から成り立ち、八十八回の手間暇がかかるので「一粒たりとも粗末にしない」は戦前の教えでしたが、五穀の中でも米を大切にしてきた知恵が「八十八夜」へのこだわりにもなっています。