薫風(くんぷう)・薫る風(かおるかぜ)・風の香(かぜのか)
葉の梢を揺すって吹く南風は青嵐と呼ばれますが、その風が緑の香りを運ぶと見立てたのが、風薫るです。 『史記』にも「南風の薫(くん)ずる、以って吾が民の慍(うらみ)を解く」とあり、慍(うらみ)とは怒りのことですから、人の心を鎮める作用が薫風にはあるとの定義になります。 橘や梅の風は、それらの香りを運ぶ手段としての風でしたが、風薫るは、風が緑の香りを運ぶととらずに、風そのものが薫と主観的にとらえた方が詩情は膨らみます。
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