北宋の画家・郭熙の「山水訓」に言う「春山淡冶にして笑ふが如く、夏山は蒼翠にして滴るが如し。 秋山は明浄にして粧ふが如く、冬山は惨淡として眠るが如し」を四季に配し、山笑ふ(春)、山滴る(夏)、山粧う(秋)、山眠る(冬)を季語としました。 夏の季語、山滴るも、一語にして夏山を言い当てた見事な言葉と言えます。 郭熙は、三遠(高遠、平遠、深遠)の原理をもって、中国の山水画の空間の描き方に新らしみをもたらした人ですから、山滴るにもどこか画家の目差しを感じます。
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