宵の夏(よいのなつ)
夏の夕より夏の宵の方が幾分情緒的な使い方です。 縁台将棋を指したり、手花火に興じたりと家に入もるまでの短い時間を指します。 ところが宵とは、もともとは、夜を宵・夜中・明時・と分けたときの、日暮れから夜中までの長い時間帯を指す言葉だったのです。 「宵越しの銭は持たぬ」の江戸っ子の気風も、「宵っ張りの朝寝坊」の言葉もそう取らないと理解できないはずです。 一般に宵待草と呼ばれる大待宵草は日没後に咲きますので、現代的な宵の解釈での命名と言えます。
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