種おろす(たねおろす)・すじ蒔き(すじまき)・籾蒔く(もみまく)・籾おろす(もみおろす)・種蒔桜(たねまきざくら)
種蒔といえば、籾種を苗代に蒔くことで、春の彼岸から八十八夜前後にかけて行われます。
籾種を塩水に入れ、浮いた悪い籾を取り除き(種選)、蒔く前に籾の俵を池(種池)や川、井戸(種井)に浸けてから蒔きます。
農業は自然に左右されますから、種蒔も自然の営みに合わせて行う地方が多く、秋田や岩手では、県境にそびえる駒ケ岳の残雪の白馬の形で決めていますし、長野・北アルプスの爺ヶ岳では「種蒔きじいさん」の出現によって始めます。
また、東北地方では、春に先がけて咲く辛夷を種蒔桜と呼び、この開花を種蒔の目安としています。
島根県では、この辛夷を山木蓮と言い、この花が咲いたら籾蒔をし、散ったら田植えをする、という伝えが残っています。