山椿(やまつばき)・藪椿(やぶつばき)・山茶(さんちゃ)・乙女椿(おとめつばき)・紅椿(べにつばき)・白椿(しろつばき)・雪椿(ゆきつばき)・玉椿(たまつばき)・唐椿(からつばき)・つらつら椿(つらつらつばき)・花椿(はなつばき)・落椿(おちつばき)・散椿(ちりつばき)・梅石榴(つばき)
椿は日本人にもっとも愛される花の一つで、日本の花暦では二月の花とされています。
日本に広く自生したので上代から人びとに鑑賞されてきましたが、庭木として花を咲かせるものの多くは江戸時代に作られました。
さらに帰化植物としての椿も加えると、今ではその種類は八百種と言われています。
もともと椿は霊木と見られていて、『豊後風土記』に出てくる、天皇が海石榴の堆を作って土蜘蛛(神話伝説で、大和朝廷に服従しなかった辺境の民の蔑称)を打った話も、椿の呪力を信じたものです。
「椿」の字は、中国では喬木を指し、架空の長寿の木とされたので、わが国でも帝王の寿を願う意に用いてきました。
ただし、山茶花と違って一輪のまま落花するので、打ち首を連想する武士の間では嫌われたようです。