季語について


三月の季語

啓蟄
(けいちつ)
春雷
(しゅんらい)
春の風
(はるのかぜ)
春塵
(しゅんじん)
山笑う
(やまわらう)
春の雪
(はるのゆき)
雪崩
(なだれ)
雪の果
(ゆきのはて)
春光
(しゅんこう)
春の土
(はるのつち)
水温む
(みずぬるむ)
水草生う
(みずくさおう)
紫雲英
(げんげ)
木の芽
(このめ)
桃の花
(もものはな)
椿
(つばき)
鳥帰る
(とりかえる)

(つばめ)
田打
(たうち)
種蒔
(たねまき)
剪定
(せんてい)
桃の節句
(もものせっく)
お水取
(おみずとり)
春分
(しゅんぶん)
社日
(しゃにち)
彼岸
(ひがん)

(にしん)
菜の花
(なのはな)
摘草
(つみくさ)

■椿(つばき)

山椿(やまつばき)・藪椿(やぶつばき)・山茶(さんちゃ)・乙女椿(おとめつばき)・紅椿(べにつばき)・白椿(しろつばき)・雪椿(ゆきつばき)・玉椿(たまつばき)・唐椿(からつばき)・つらつら椿(つらつらつばき)・花椿(はなつばき)・落椿(おちつばき)・散椿(ちりつばき)・梅石榴(つばき)

椿は日本人にもっとも愛される花の一つで、日本の花暦では二月の花とされています。
日本に広く自生したので上代から人びとに鑑賞されてきましたが、庭木として花を咲かせるものの多くは江戸時代に作られました。
さらに帰化植物としての椿も加えると、今ではその種類は八百種と言われています。
もともと椿は霊木と見られていて、『豊後風土記』に出てくる、天皇が海石榴の堆を作って土蜘蛛(神話伝説で、大和朝廷に服従しなかった辺境の民の蔑称)を打った話も、椿の呪力を信じたものです。
「椿」の字は、中国では喬木を指し、架空の長寿の木とされたので、わが国でも帝王の寿を願う意に用いてきました。
ただし、山茶花と違って一輪のまま落花するので、打ち首を連想する武士の間では嫌われたようです。


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