土恋し(つちこいし)・土現る(つちあらわる)・土匂う(つちにおう)・土乾く(つちかわく)・土の春(つちのはる)
南宋の詩人の范成大の詩「春日田園雑興」の一節に「土膏動かんと欲して雨頻りに催し」がありますが、「土膏」とは土の中の養分のことで、春が近付くとうごめきだすと、中国では言われています。
また「土恋し」の季語は、比良暮雪の『北海道樺太新季題集』に見られるもので、北国の春への思いが切々と込められています。
「春泥」が市井的なのに対して、「春の土」は田園的、あるいは園芸的である、といったのは山本健吉氏です。