春風(はるかぜ)・春風(しゅんぷう)
春吹く風にはいろいろありますが、一口に「春の風」といえば、春風駘蕩の言葉通り、ゆったりとしたのどかな風のことを指します。 天候も気温も変わりやすいころですが、その合い間にやってくる静かな日に吹く心地よい風です。 「春の風」は、和歌の長い歴史の中で、氷を解かし、木々の芽ぐみをうながし、梅の香りを運び、花を散らす、といった類想的な使われ方をしてきました。 蕪村には、薮入りで帰郷する少女に仮託して春の景色を叙した俳詩『春風馬堤曲』があります。
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