季語について


三月の季語

啓蟄
(けいちつ)
春雷
(しゅんらい)
春の風
(はるのかぜ)
春塵
(しゅんじん)
山笑う
(やまわらう)
春の雪
(はるのゆき)
雪崩
(なだれ)
雪の果
(ゆきのはて)
春光
(しゅんこう)
春の土
(はるのつち)
水温む
(みずぬるむ)
水草生う
(みずくさおう)
紫雲英
(げんげ)
木の芽
(このめ)
桃の花
(もものはな)
椿
(つばき)
鳥帰る
(とりかえる)

(つばめ)
田打
(たうち)
種蒔
(たねまき)
剪定
(せんてい)
桃の節句
(もものせっく)
お水取
(おみずとり)
春分
(しゅんぶん)
社日
(しゃにち)
彼岸
(ひがん)

(にしん)
菜の花
(なのはな)
摘草
(つみくさ)

■鳥帰る(とりかえる)

帰る鳥(かえるとり)・小鳥帰る(ことりかえる)・鳥引く(とりひく)・小鳥引く(ことりひく)・引鳥(ひきどり)

日本に秋渡って越冬した渡り鳥が、北の繁殖地に春帰ります。
雁や鴨、鶴、白鳥などの大型の鳥から、鶫、鶸などの小型の鳥まで合わせると、夏鳥に比べ相当な種類になります。
「帰る」は、繁殖地に向かう鳥に限っていい、燕のように春やってきて繁殖する鳥は「燕来る」と表現しますが、「帰る」にはどこか哀惜の念がこもるものです。
中でも、「雁」に対して日本人は、特別の思いを寄せ、「雁の別れ」「名残の雁」「いまわの雁」と言葉の限りを尽くします。
数の上では雁の比ではない鴨などには、こうした濃密な言葉は残っていません。
渡り鳥の中には、仲間はずれになったり、傷ついたりして帰れない鳥も現れます。
これらの鳥にも「残る雁」「残る鶴」「残る白鳥」と詠んで哀れみの目差しを送ります。


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