新走り(あらばしり)・今年酒(ことしざけ)・利酒(ききざけ)・新酒糟(しんしゅかす)
今年収穫した米で作るのが、新走りの名で呼ばれる新酒で、新酒が出来上がると、杉の葉を球状に束ねた酒林が酒屋の軒に吊られました。
杉の葉の青々した酒林が売り出しの合図だったのです。
今では寒造りが主流になり、十二月に仕込み、新酒は三月になりますから歳時記とは時期が大分ずれてしまいました。
まず酛(酒母)をつくり、次に薫米と麹とを加えて醪をつくり、発酵を待って清酒は出来ますが、何しろ相手は生きものですから、蔵元も杜氏も不眠不休の作業が続きました。
出来た新酒の利酒は色香の分かりやすい蛇の目茶碗で行います。