菊の枕(きくのまくら)・幽人枕(ゆうじんまくら)
菊の花には霊力があって、長寿の効果が言われますからこの花を詰めて枕をこしらえます。 菊の花を摘んで陰干しにしたものを用いますが、摘みとる日も陰暦九月九日の重陽節の日のものがよいとされます。 この枕をすると邪気を払い、頭痛がとれ、目を明らかにすると言います。 菊の花に綿をかぶせ、その露で顔や体を拭うと老哀を防げるとされる「菊の被綿」の風習に似ますが、枕のほうは、そのことは別にしても、あおりのよい枕になりそうです。
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