季語について


四月の季語

日永
(ひなが)
麗か
(うららか)
春日和
(はるびより)
長閑
(のどか)
清明
(せいめい)
風光る
(かぜひかる)
春昼
(しゅんちゅう)
春の宵
(はるのよい)

(おぼろ)
春雨
(はるさめ)
菜種梅雨
(なたねづゆ)
鳥曇
(とりぐもり)
春の海
(はるのうみ)
春潮
(しゅんちょう)
春眠
(しゅんみん)
春興
(しゅんきょう)

(さくら)
花の雨
(はなのあめ)
花水木
(はなみずき)
桜草
(さくらそう)

(たけのこ)
山椒の芽
(さんしょうのめ)
踏青
(とうせい)
汐干狩
(しおひがり)

(さえずり)
百千鳥
(ももちどり)
春蝉
(はるぜみ)
穀雨
(こくう)
行く春
(いくはる)

■行く春(ゆくはる)

春の名残(はるのなごり)・春のかたみ(はるのかたみ)・春の行方(はるのゆくえ)・春の別れ(はるのわかれ)・春の限り(はるのかぎり)・春の果(はるのはて)・春の湊(はるのみなと)・春の泊り(はるのとまり)・春ぞ隔たる(はるぞへだたる)・春行く(はるゆく)・春尽く(はるつく)・春尽(しゅんじん)・徂春(そしゅん)・春を送る(はるをおくる)

帰って行く鳥や散りゆく花、過ぎてゆく月日に愛惜の念を抱くのは、日本人独特の美学ともいえますが、行く春もその代表的な言葉です。
さらに名残、かたみ、別れ、送ると擬人法を使って人との別れに模した春の送り方もします。
四季のうち夏と冬にはこの送り方はなく、行く春、行く秋には、これから暑くなり、寒くなる季節を迎えるに際して、一層名残を感じたのでしょう。
島崎藤村の詩「晩春の別離」も「時は暮れ行く春よりぞ また短きはなかるらん・・・」と詠いだし、行く春の情感を揺曳(ようえい)させます。


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