永日(えいじつ)・永き日(ながきひ)・日永し(ひながし)
「冬至から畳の目一目ずつ日が延びる」は言い古された諺ですが、昼夜の永さが同じ春分を過ぎると日永の思いは一層強まります。
例えば陽暦に置きかえた二十四節気の春分の昼の永さは12時間8分ですが、約一ヵ月後の四月二十日の穀雨に1時間8分、立夏の五月五日には1時間38分も昼が永くなります。
日が短くなると気も急ぎますが、逆に永くなると心もゆったりしてきます。
日永とは時間に置きかえて自然を把握させる見事な季語といえます。
短夜(夏)や、夜長(秋)、短日(冬)などにも、同じ意味が込められています。