春の興(はるのきょう)・春愉し(はるたのし)・春嬉(しゅんき)・春遊(しゅんゆう)
春のおもしろさや興趣万般を指す言葉で、使い方も自在なところがあります。
要するに春の到来を喜び、春のさなかにいることを興がれば、この言葉の目的を満たすことになります。
もともとは俳諧用語で、新年に行った句会の結果を刷り物にして知友に配るその刷り物のことをこう呼んでいました。
刷り物には発句または三物(俳諧の発句、脇句、第三句)に彩画を添えたりしましたが、この習慣は正岡子規の時代まで存在したといわれます。
「春興御すり物、甚だ感心仕候」は、蕪村の手紙に書かれた一節です。