蛍見(ほたるみ)・蛍舟(ほたるぶね)・蛍見物(ほたるけんぶつ)
農薬などの散布で一時は姿を消しましたが、近ごろはあちこちに蛍狩の新名所が生まれています。
箒(ほうき)や団扇(うちわ)を手に、蛍狩に興ずる風景は名所図会でおなじみですが、石山や宇治の蛍の名所では、蛍舟を出して蛍見を楽しんだという記録もあります。
「都下の遊人黄昏(たそがれ)より漫遊し、籠中(ろうちゅう)に入て家裹(いえづと)(土産)とす」は、『東都歳時記』に描かれた、かつての東京の風俗です。
『源氏物語』の「蛍」には、光源氏がたくさんの蛍を室内に放ち、玉鬘(たまかずら)の美を際立たせる場面が出てきます。