神水(しんすい)
陰暦五月五日を薬日(くすりび)と言い、この日の午の刻(正午前後)に降る雨をこう呼んでいます。
竹の節に溜った雨水が神水で、この水を使って医薬を製すれば薬効がある――と、いまの薬事法に触れそうなことが伝えられています。
この日は薬日ですから、悪疫除けに、錦の袋に麝香(じゃこう)、沈香(じんこう)、丁子(ちょうじ)などの香料を玉にして入れた薬玉(くすだま)を吊ったり、山野に出て薬草を採取する着襲狩(きそいがり)などをしました。
その延長線上に生まれた話が薬降るなのかもしれません。