鹿の子斑(かのこまだら)・鹿子(かこ)・小鹿(こじか)・鹿の子(しかのこ)・親鹿(おやじか)
五月から八月にかけて鹿の出産は続きますが、特に五月、六月に集中します。
生まれて一年ほどは角が生えません。
茶褐色の白い斑が目立つところから、鹿の子斑が詩歌にも詠われ、「鹿の子斑に雪の降るらん」の形で使われます。
そのほか、鹿子結に糸を結ぶと鹿子絞ができ、その模様を帯に配せば鹿子帯になるように、人々は競って鹿の子の愛くるしさを利用しました。
江戸の道化役者、嵐音八が、餅の上に小豆をのせ鹿子絞に似せた鹿子餅を売り出したところ、市中の好評を得た話も伝わっています。