蝉の殻(せみのから)・蝉の蛻(せみのもぬけ)・蝉の脱け殻(せみのぬけがら)
蝉の脱皮の様子を丹念に見届けた子供時代の思い出は誰でも持っていることでしょう。
羽に体液が行きわたり、乾いて羽ばたくまでの時間はまさに神秘です。
その脱け殻が空蝉です。
空蝉の語源は、蝉とはおよそ無縁の「うつしおみ」(現し臣)→「うつそみ」(現人)→「うつせみ」と転じたもので、目に見えない神に対する、この世の人の意味だと言えます。
ですから「空蝉の」と言えば、世、人、身に掛かる枕詞で、無常を表わすことになっています。