菖蒲挿す(しょうぶさす)・軒菖蒲(のきしょうぶ)・蓬葺く(よもぎふく)・樗葺く(おうちふく)・かつみ葺く(かつみふく)
菖蒲の古名で「あやめ葺(ふ)く」という場合もあります。
勝負には邪気をはらう霊力があると信じられていましたから、端午の節句の前日の五月四日に、菖蒲と蓬を束ねて軒に挿しました。
これが菖蒲葺く、菖蒲挿すですが、同じ効力を期待し、菖蒲の代わりに樗(おうち)や勝見(真菰(まこも)の異名)で葺く地方もあり、樗葺く(おうちふく)、かつみ葺くの言葉も残っています。
中国では、邪気をはらう植物として、菖蒲や蓬、樗などのほかに、芦(あし)、桃(もも)、桑(くわ)、柊(ひいらぎ)などを使いますが、これらの思想も、日本へはいろんな形で伝わってきています。