花(はな)・染井吉野(そめいよしの)・深山桜(みやまざくら)・大山桜(おおやまざくら)・大島桜(おおやまざくら)・牡丹桜(ぼたんざくら)・里桜(さとざくら)・丁子桜(ちょうじざくら)・豆桜(まめざくら)・富士桜(ふじざくら)・金剛桜(こんごうざくら)・左近の桜(さこんのさくら)・雲珠桜(うずざくら)・楊貴妃桜(ようきひざくら)・朝桜(あさざくら)・夕桜(ゆうざくら)・夜桜(よざくら)・桜月夜(さくらづきよ)・嶺桜(みねざくら)・庭桜(にわざくら)・若桜(わかざくら)・姥桜(うばざくら)・桜の園(さくらのその)
一口に桜といいますが、植物学上の特定の桜はなく、何々桜の総称をこう呼んでいて、自生と栽培の品種を合わせると数百種になると言われています。
現在の花見の対象となる桜のほとんどは染井吉野ですが、この花は、明治の初年に東京の染井の植木屋から全国に広まった種類です。
それ以前の桜の表記は、山桜や彼岸桜、里桜などのことになります。
桜が登場するもっとも古い歌は『日本書紀』の「花ぐはし佐区羅の愛でこと愛でば早くは愛でず」でしたが、『万葉集』のころは桜より梅の方が好まれ、「花といえば桜」の言い方は平安中期以降になってからです。
この時代には、貴族たちが盛んに観桜の宴を開き、桜狩や花見の習わしもこのころ生まれたものです。